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逆境を笑え / 川崎宗則



 よくあんなに堂々と日本語で声出しできるねって、周りの人から言われた。いや、おれとしては英語をしゃべってるつもりだったんだ。ゲームの中に入るとバカになるからね。ホークスのときだって、おれはずっとしゃべってた。何か言えば誰かが返してくれるから。でも、アメリカでは誰も返してくれない。だから妄想する。おれ、妄想癖があるんだよ。(故郷・鹿児島の勝ちどき)チェストって言えば、ウッチーやポンちゃん(福岡時代のチームメイト)が返してくれる。妄想の世界では。

 (陰口や揶揄に対して)おれは正々堂々。何も後ろめたいことはしていない。だから何を言われても、いつも胸張って生きてるよ。アイム・エンジョイング・マイセルフ。おれには、いつも光が見えている。この先目指す方向指す、光が見えている。だから今のおれは、その光の方向に向かって、自分らしく進むだけ。もがき苦しんで、やっと自分らしい生き方を見つけたんだから。あとは毎日、ハッピーに生きていくだけ。

マイナー?9人いるぜ。相手もいるぜ。審判もいるぜ。グラウンドもあるぜ。それって、いったいどれだけ恵まれた環境なんだよ。

 プライドなんて、何もないよ。わからないのは勉強してこなかったから。そりゃ、後悔した。もっと勉強しておけばよかったって。だから恥をかこう。恥をかくことよりもやろうとしないことのほうが恥ずかしい。プロになってすぐの頃、未知の世界を怖がって、不安でなにもしようとしないことがあった。やろうとしないんだから、できるわけがなかった。やろうとしないから、いつまでも怖いまま。

 やってみて、恥をかく。やってみて、痛みを知る。殴られれば、その痛みがわかる。それがわかるだけで大丈夫と思えるかもしれない。どんな痛みなのか知らないくせに、どうしよう、どうしようと怯えていても、結局は前に進めない。脳みそばっかりでっかくなって、肝心の足が一歩も動いていない。だから、前へ出る。




   プロ野球・福岡ホークスの顔であり、オールスター戦の常連だった川崎宗則選手は、高年俸を袖にしてメジャーリーグに挑戦しました。30歳目前であり、決して体格的に恵まれていない彼の挑戦は、随分と揶揄されました。プロ野球ファンの私も、成功するとはあまり思えない行動に見えたのが正直なところです。

   メジャーリーグとマイナーリーグを行ったり来たりのシーズンが続きます。当然、成績も芳しいものではないのですが、野球の本場・アメリカで、なぜか彼を愛するファンが増えて来たのです。決して、チームに貢献している成績を遺してもいない彼を。

    どんな場面でも(試合に出ていなくとも)、自分の出来ることを尋常ならざる熱意でやりきろうとするひたむきさ。カラ元気かもしれない、自身と周囲への鼓舞。何なんだ、この男は。これがスター・川崎か?

   手に取った本書。なんてナイスガイなのか。誰のせいにもせず、言い訳もせず、日々を生き切るその熱量。挫折も孤独もさらけ出して、格好よくない、通用しているとは言い難いプレイも隠さず、ひたすらに自分を磨き、「俺を使え」とアピールします。

    快男児、ムネ・カワサキ。こんな男がいる衝撃と、刺激をいただきました。彼にはなれなくとも、私なりにこんなファイトをしなくては。
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