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ケビン・メア/決断できない日本


 
・ 日本では実質的に、原発に何らかの事故が発生した場合、直ちに運転を停止するという基準が設けられていて、それが結果的に東電の情報隠蔽体質につながっているように思われました。トラブルが起きた場合に直ちに原子炉を停止するというやり方は、現実的ではないし、賢明とは言えない。そのタテマエとしての厳しすぎる基準が、逆に情報隠しが横行する温床となっているような気がしてなりませんでした。
 
・ (福島第一原発事故に際して、無人ヘリなどの支援を申し出た米国に対して、装備や補償への「暢気な質問」を返してきた日本の「お役所仕事」に対して)司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」に児玉源太郎大将が、ロシア軍艦砲撃作戦への「防御構築に3日待つべし」という高級軍人に対し、「そんなことは戦争が終わってからやれ。今はいくさの最中だ」と諭す場面があります。
  国務省や国防総省の仲間たちは、「Not deciding is deciding(決断しないことが決断になる)」と言って、コンセンサスばかりを重視し、決断しない日本の指導者たちを批判することが少なくありません。
 
・ 行き過ぎたコンセンサス社会は、危機の時代にその恐るべき弱点をさらけ出します。危機を解決できないばかりか、増幅させ、国家を存亡の危機に追い詰めることもあり得ます。東日本大震災から数ヶ月が経ってもまだ大量の瓦礫が手付かずのまま放置されています。
 
・ コンセンサスの呪縛とともに、極度に失敗を恐れる今の日本の精神文化も。政治の決断が遅れる一因になっていると思います。(中略)アメリカ人は違います。一度失敗しても、それを教訓にもう一度チャレンジできる。アメリカ人は普通そう考えます。ですから、危機に直面したアメリカ人は、とにかく色んな手を打ってみます。本当に単純なアメリカのプラグマティズムです。(中略)日本も「七転び八起き」というすばらしい言葉があります。何度失敗しても、やり直せばいいのです。
 
 
 著者は、2011年3月に「沖縄はゆすりの名人」発言で、アメリカ国務省日本部長の任を解かれる一方で、直後に発生した東日本大震災への「トモダチ作戦」の要職を務めた人物です。
 
 2011年8月発行の本なので、「ゆすり発言が捏造である(本書での主張は説得力があります)」ことと、日米安保へのアメリカの立場の説明、東日本大震災を例にした「決断できない日本」への苦言&アドバイスから大部分が構成されています。「ゆすり発言」と日米安保に関しての感想はここでは触れませんが、日本に19年滞在し、その文化にも理解が深いという経歴には驚きました。
 
 歯に衣着せぬ様々な発言は、著者の仕事への使命感はもちろんですが、「現場に身を置いて、相手を理解した上で」の自信に裏付けられているものと思います。読み通してみると、著者が米国本土にデスクを置きながらでの本書では、日本人の私はそう素直にその主張を聞かなかったことでしょう。
 
 職業柄、世界が職場とは言え、どこにでも動き、働き、そこの文化に飛び込む。山笠好きが嵩じて、自治組織にまで入ってしまった、外国人(著者の場合は日本人)と結婚した等、異文化理解への行動ぶりは敬意を感じました。以前読んだカメラマンさんの本で「奥地に行って、そこの人と同じモン食わなきゃ、話にならない」みたいなエピソードがありましたが、そのとおりです。
 
 れ合うのではなく、相手を理解し、自身をストレートに発信する。その背景に相手を理解するマインドと行動を惜しまない。大勢と協力し、大きな仕事をする人物の思考と行動がなにより勉強になりました。
 
 ここから身につける自分への新しい習慣は、「オープンになる」こと。自身への誹謗に対し、本一冊書ける材料と経歴(=行動の事実)が常にあるのは、少なくとも自分自身は後ろ暗くないとできないことですから(立場によって、著者への評価が異なるにしろ)。
 
 失敗を恐れず、自信を持って発信・行動する。そのために、相手への理解と、ミッションへの勉強・準備を厳しく、厳しく行うことに取り組みます。
 
 七転び八起きで、早速今日から。
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