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画鬼・暁斎 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル/三菱一号美術館



   出張の予定を少し延ばして行ってきました、河鍋暁斎。もちろん実物を観るのは初めてです。

   3歳にしてカエルの写生をし、9歳には大水で流れてきた生首を写生し周りを驚かせたとか。



   それにしても、大変な振幅でした。狩野派の俊英でありながら、浮世絵、山水画、春画、絵日記等々。

   51歳にしてとった弟子(コンテエル君、とか呼んで友達みたい)の英国人建築家にして日本文化研究の第一人者コンドルさん(当時24歳。若い)からもらった人体解剖学の本も展示してありましたが、人間だろうが鳥獣だろうが、果ては鬼、妖怪の類まで肉を削いだら骨がでてこようかという、正確さ。



   買って帰った図録にあったのですが、魚なんて体表を36分割して動きを計算してたとか。デジタルなことしてたんですねぇ。


   この猫。捕らえられたカエルは、直前までこうなるとは思ってなかったであろう俊敏な身のこなし。で、ずる賢そうな表情。


   この虎。逃げないと喰われる!と思いながら見てました。だって、後ろ足はもう短距離走者がスタートに入った形ですよ。視線だって合わされちゃってるし。もう遅いわ、喰われる。5分以上動けませんでした。




   大妖怪・九尾の狐を捕らえんと決死の閻魔大王さまです。もう、もろ肌脱いで赤フン一丁の気合全開っすよ。

   なんちゅうか、非常にスピードを感じたんですね。さっきの猫や虎もそうなんですが、このコンマ数秒前、または後に全く違う光景があるんだろうと。

    私が感じたのは、この直後(コンマ少数7位くらいの瞬間)に、狐の首を縛り上げる閻魔大王。が、自らも深手を負わされて。あぁ、ドキドキする。




   毘沙門天。鬼を踏んづけてます。カッコイイなぁ。きっとこの直前に超高速のバトルがあったんだぜ。後ろには炎が揺らめいて、服も派手。カッコイイなぁ。




   10分以上離れられなかったのが、この風神・雷神です。もうね、フロアが真っ暗でとんでもない雷と風に襲われまくってる感じに取り憑かれてしまって。

    風神の袋から出てくる風は、善いも悪いも男も女も子供も大人も有機物も無機物も、なんもかんも無頓着に全部なぎ倒して跡形もなく吹き飛ばして。

    雷神の雷は四方八方に落ちまくってはぶっ壊して、焼き尽くして。それは風神の風で竜巻となり、逃げ場なく蹂躙して。

    その一瞬です。

    風神、何を狙う。雷神、誰を睨む。


 


   女性の亡骸が徐々に腐乱していき、白骨になっていく様を九段階に分けて描いたものです。ドグラマグラで読んだ絵画が今ここに。うわぁ。気がヘンになりそう。


   私の好みばかり挙げてるので偏ってますが、美しい山水画、狩野派ならではの日本画もたくさんありました。何者や、このヒトとか思いながら巡っていると、途中に楽しいスペースが。


   巨大な化け猫に腰抜かす人を描いた作品が、めっちゃ大きなスクリーンになっていて、登場人物さながらの驚きを体験できるスペース。写真撮っていいので、みんなパチパチやってました。面白いなぁ。



  

  美人画も素敵なのですが、こちらは地獄太夫。この女性は随分描かれたそうですが、このインパクト。地獄と名乗り、九年壁に向かった達磨より、苦海に沈んだ我が身こそ悟りを開くと嘯いた美女。まどろんだ夢には等しく白骨の男ども。

   暁斎さん、ものすごい多作な人でもあったそうです。たくさん描くという(日に200枚描いた逸話も)ことももちろん凄いのですが(そんな人、他にいないし)、イマジネーションの質と量が圧倒的です。

   どの絵も執拗なほど緻密で(美人画の着物の柄とか、後ろの屏風とか)、3時間近くいましたが、退屈しませんでした。

 


   美人が猫を抱くの図。胸元のいい香りまで感じられて、猫になりたいなぁ、とか口開けて見てました。


    来週からは後期展示で内容が変わるとか。もう一度行きたいなぁ。




    一部ですが、春画もありました。こちらも局部がリアルに描かれてたりと、ドキドキするような出来だったのですが、お客さんたち一番時間かけて見てたぞ。並ぶの諦めたほど。
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コメント

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No title

「狂ってたのは 俺か、時代か?」ってカッコイイですね~☆
オドロオドロしくもあり、医学的な正確さもあり、
春画もありってことはエロスもあり?
すごい才能のひとだったんですね~。

ドキドキして遠くからみたのですね(笑)
それぐらいがいいかも・・・(^_^;)

No title

はのはのさん、こんにちわ。コメント、ありがとうございます。

カッコいいですよね! 別のポスターには「俺にゃ、日本は狭すぎる」ってありまして、こっちもカッコよかった。実際、あまりの多作、ジャンルをくくれない振り幅で、再評価は最近のことだそうです。むしろ海外で評価され続けて。日本は狭すぎた、んですね。

それにしても春画(笑)。みんなすげーじっくり見てるんで、そっちがおかしくて(笑)。