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ヤギと男と男と壁と


 
 ボブは、あまりぱっとしない雑誌記者。今日も、「超能力者部隊に在籍していた元軍人」とかのイカれ野郎を取材のつまんない日常。なぁにが、「オレの上官だったリンって男は、見ただけでヤギの心臓を止めたんだ」だ、あるかそんなもん。
 
 しかも、最愛の妻は編集長と浮気を重ね、煮つまり気味の日々。
 
 一念発起で、戦時下のイラク取材で名を上げようと彼の地に乗り込んだものの、イエロージャーナリストすれすれのボブの居場所なんてありません。
 
 あぁ、オレはやっぱりダメダメ野郎だと落ち込みかけたそのとき、リンなる男と出会います。
 
 ひょっとして、超能力部隊でヤギの心臓止めてた男ってコイツかぁ? これは一発逆転の大ネタかも? とリンにとりいり、彼の「ミッション」なるイラク深部入りに同行して取材することに。
 
 道中リンが語る「超能力部隊」とは、「新地球軍」なる名称で米陸軍に実在していたとのこと。リーダーはベトナム戦で兵の在りかたに疑問を感じて世界を6年放浪の後に、「戦わずに勝つ」「兵士僧の養成」を目的にこれを設立したとか。
 
 が、話を聞いていると、これがどうにも胡散臭い。
 
 考え方やノリは当時のヒッピー文化そのもので、訓練を通して実現させようとしていたことは、眼力で相手の戦闘力を無くさせるだの、壁をすり抜けるだの、遠くの出来事がわかるだの。
 
 てなこと言ってるくせに、戦時下とも言える現実のイラクでは危険な目にあったりするのですが、リンの「超能力」はあまり役に立ってはくれません。
 
 一方、アメリカ国家から委託を受けた「民営の警備会社」なる軍事組織は、ビジネスと割り切ってイラクの人たちの感情に頓着することなく、手厳しい「統治」に加担しています。
 
 とうとう二人はアラブの砂漠に放り出されて、取材もミッションも半ばで野垂れ死にかと思った矢先、全く姿を変えた「現在の新地球軍」が現れ・・・。
 
 
 えー、あんまり面白くなかったです。以上。

 で終わろうかと思いましたが、後の自分がすっかり忘れるだろうので、少しだけ書きます。
 
 冒頭で「信じるかどうかはともかく、ほぼ実話です」旨のテロップが出てきます。後で知りましたが、「新地球軍」のルポが原作だそうで、実際にそういうものがあったようでした。
 
 映画の中での「新地球軍」は、バカバカしい描かれ方なのですが(試写会ではずいぶん笑いもおこったこともあったみたい)、見ていて思ったのは「コワイな」ってことでした。
 
 エスパー兵士の能力のクライマックスは「ヤギを見つめて心臓を止めた」エピソードなのですが、それは3時間見つめ続けた挙句、というものでした。「銃で撃ちゃいいじゃん」と言えばそれまでですが、生き死にを賭けているという、地上で最も厳しい組織のひとつである軍隊が、予算も労力もかけて検討していた成果です。
 
 たとえ3時間かかったとしても、「見ただけで生き物を殺せる」という成果が得られたわけです(これが実話かは知りませんが、成果を出すためにやっていたこと、また、何らかの成果が得られたことを想像させる怖さが言いたい)。
 
 私は超能力のことはわからないのですが、もしも彼らの描いていたことが実用化されれば、それは無敵の軍隊の誕生です。誰も逆らえない軍事力です。それをバックにした交渉は、その国の意思がすべて通ることでしょう。人類史上最強国家の誕生です。
 
 エピソードはバカらしく見えるものであっても、成功しないとは限りません。荒唐無稽であればあるほど、成功のインパクトは大きいでしょう。対抗措置の少なさも含めて。
 
 カネと時間を使って、そういうことをやるということの怖さを感じながら見ていました。コメディっぽいつくりなので、どんなブラックユーモアがあるのかと思って見たのですが、私のとっては何だか中途半端で、面白ありませんでした。
 
 「旧」新地球軍のエピソードをバカバカしく取り上げるのもいいけど、「新」新地球軍のリアルな非人間らしさも取り上げてくれたら、すげーブラックになってたかも。
 
 スターがたくさん出てるそうなのですが、有名じゃない俳優さんで毒気のあるヤツを誰か作り直してくれないかなー。面白そうな話なので。
 
 怖いけど。
 
 ホントに。
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コメント

非公開コメント

No title

こんにちは。
おっしゃられるように、忘れてしまいましたが、
見たときに書いた記事がありました。具体的には書いていないので、
全く思い出さず。
短いですが、良かったら。
http://blogs.yahoo.co.jp/fdqhp812/64592593.html

No title

カバオさん、こんにちわ。コメントありがとうございました。
やっぱ、忘れますよね(笑)。カバオさんのブログの方に、コメントさせていただきました。