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原爆のみならず、理不尽な死を強いられたすべての人に合掌

 今日は、かつて原爆が投下された日。

 広島ではテレビ、新聞もその話題が多く取り上げられております。
 
 
 先日のNHKの番組。録画したまま見ていなかった「被爆前夜の広島で」を見ました。


 
 被爆によりほとんどの建物がなくなってしまった広島市内。大人になってよその土地に行って、古い建物が広島にないことに初めて気が付きました。
 
 恥ずかしながら、市内中心部の「平和公園」が公園ではなくて人が住んでいた町であったことも、気が付いていませんでした。考えたら当たり前の話で、原爆が落ちなければ、平和公園はおそらくなかったのですから。
 
 番組は二部構成。
 
 8月の初めに原爆投下を予告するビラがまかれ、捕虜からの予告や無線傍受もされていたという噂(真偽は未だ不明)を追っての証言集。もうひとつは、かつて町があった中心部に住んでいた人たちの、その時&その後。
 
 
 予告のエピソードは、当時それを知ってしまった人が実際に報告などできなかったことを強く伝えます。敗色濃厚で追い詰められていた官憲側は、不利な情報を厳しく取り締まっていたために。



 
 想像でしか言えませんが、憲兵に連れて行かれるということは、無事に帰られるはずもなかったのでしょう。せめて家族を守りたいと思えば、口をつぐむのは自然なことです。
 

 米軍による投下予告と市民への避難勧告無線を傍受した男性は、直接の上司に報告はしたものの、そこで留め置かれ(仕方ありません)当日の朝を迎えます。火の海と化す職場。男性を助けた同僚(件の係長さんもいたのでしょうか)数名は犠牲となり、生涯の負い目に。


 
 この男性に限らず、事前に避難できたかもしれない話を耳にしながら、結局何もできなかった(繰り返しますが、仕方のないことだと思います)人たちは、自分が生きていることについて複雑な感情を持ち続けます。今も。
 
 
 
 第二部。中四国最大の街であった広島、その中心部に暮らしていた人たちのエピソード。
 
 今も、市内繁華街のメインストリートである「本通り」。戦前は、煌びやかな電灯で「すずらん通り」とも呼ばれ、その夜景を眺めるために遠くから訪れる人も少なくなかったとか。


 
 女性たちはおしゃれをし、家族のハレの日の舞台でもあったそうです。幸福な場所。

 昭和10年代の女性、なんですね。とっても素敵です。
 
 

 こちらに写っている3歳の男の子。今の平和公園が賑やかな「中島町」であった頃のやんちゃ坊主。後に原爆ドームとなる産業奨励館に行ってはイタズラをし、元安川に飛び込み、釣り人の邪魔をしては怒られ。
 
 やがて太平洋戦争も末期。市内から20キロほど離れた田舎に学童疎開となり、町っ子の彼が退屈にあえいでいた8月5日。ご両親が訪ねてきてくれます。まだ若い母親は当時としてはおしゃれな日傘をさし、市内へと帰っていきました。そしてその翌朝・・・。 







 「まさか、それが最後の別れになるとは思わなかった」


 疎開先だった廿日市の路上で穏やかに話します。「時間を引き戻したいよね」。ごく最近になって、ようやくご両親のお墓を建てられたとか。それまでは、どうしても受け入れられなくて。日傘をさしてまた会いに来てくれるような気がし続けて。


平和公園を訪れる子供たちに、昔の話を聞かせる語り部でもある、この男性。

 「あの続きがどっかにありそうな気がするんよね」
 
 
 今日は71年目の「あの続き」の日です。深く断絶しながらも、あの日から続いている今日が。

 そして、明々後日には長崎の「あの続き」の日が。


 原爆のみならず、理不尽な死を強いられたすべての人に合掌。
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コメント

非公開コメント

No title

かつて僅かな期間と言えど、住まいていながら、そこまで深く知り得なかった広島。ただ戦争やいがみ合いを避けることができれば平和は作り出せると信じていたあの頃の自分。

本当は、争いの成れの果てを知らぬ限りは真の平和を意識することは不可能だと理解するようになる、後のわたし。

広島のあの日の記録は、わたしに毎年強く刺さります。

幼い頃に立ち寄ったご縁、兄の誕生日が広島のこの日であり話をよく耳にしたご縁、自分が暮らしたご縁。

せっかくのご縁。
もっと理解したいことが山ほどあるものです。

No title

陽炎さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

そうですか、広島にお住まいの頃があったんですね。どのあたりだったのでしょうか。小さな町だったでしょ(笑)。あの小ささが、核爆弾の威力を測るのに都合がよかったそうです。

どの土地にも、色んな歴史がありますよね。広島のそれは少々特異ですが、それだけに他の歴史が色褪せるほど。

きっと、ご縁なのでしょう。またおいでくださいね。

No title

皆実町。松の湯。懐かしいなぁ。まだあるかな。

No title

陽炎さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

松の湯!私も何度か行ったことがありますわ(笑)。あのあたり、わかりにくくて(笑)。

さっきグーグルで調べたら、4年前に廃業とのことです。なんだか残念ですねぇ・・・。昔ながらの銭湯でしたよね。