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乱歩地獄


 
「火星の運河」
 
 どこともわからぬ荒涼の平原に佇む全裸の男。
 
 錯乱。また錯乱。
 
 嫌がる女と交わった挙句に殺めたかのような、錯乱の記憶。湖水に顔を突っ込み、動かなくなる男・・・。
 
 
「鏡地獄」
 
 鎌倉の旧家。手鏡をつくる男がひとり。
 
 茶道の師匠、こいびと、義姉。男と爛れた関係を持った女たちは、手鏡を覗いては顔面から脳髄まで焼けただれて死んでゆく・・・。
 
 湖水で動かなくなった男は、名探偵・明智となって現れ、鏡の男を訪ねる。明智の美しい妻は、彼の業を背負ったかのように、精神を病んだまま座り続けて。
 
「・・・鏡は、神だと思われていたのですよ」
「では、・・・あなたは神をつくっているのですね。・・・内側が鏡の球体の中に入ったら、何が見えるのでしょうか・・・」
 
 やがて、球体をつくり、その中に閉じこもる男。
 
「何が・・・、見えました?」
「教えられないね」
 ・・・以下、狂気の哄笑。
 
 
「芋虫」
 
 戦争で四肢を失い、屋敷の奥にひっそりと息をするだけの軍神。その妻は近所で貞淑と評判のおんな。
 
 が、その正体は、視覚と性欲のみを残した彼を性の嬲り者とすることに悦びを覚える倒錯したおんな。

 それを「うつくしい」と眺め続ける、怪人20面相。
 
 やがて軍神は目を潰され、その妻も四肢を・・・。
 
 倒錯した2体の「美術品」は、20面相により彼の「コレクション」に。遠くから双眼鏡で見続ける(&何もしない)名探偵・明智・・・。
 
 
「蟲」

 明智だった男は孤独な運転手として現れ、彼を抱える女優に恋をしていた。
 
 贈った造花は、美しい彼女を戸惑わせ、嘲笑を浴びせられることに。
 
 造花はけして枯れない。けして遠くにゆかない。

 女優を絞殺し、死体に防腐処理を施し、自分だけの造花に。
 
 見よう見まねの防腐処理は、死体損壊という無残な結末に。狂気の化粧を施し、日に日に腐乱し、膨らんでゆく死体と暮らす甘美な楽園・・・。
 
「おい」
 
 踏み込んだ警吏たちの声に振り向く男。腐乱死体の腹から顔を出して。


 
 

 乱歩です。そして地獄、です。4本のオムニバス構成で。
 
 大胆にリメイクされて、「鏡地獄」以外は原作とやや離れたものになっているかもしれません。
 
 ただ、これはこれで充分グロテスクでした。「芋虫」や「蟲」は、正視に堪えませんでしたもの。正直。

 「映画化」が、忠実に視覚化しなければ失敗とは、私は全く思っていません。面白いか、そうでないか、だけです。
 
 これは気持ち悪くなった。だから認めます。変形の「快」があったので。

 いやー、気持ち悪かった。映画館だったら、途中で帰ってたかも。
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コメント

非公開コメント

No title

これは未見でしたが、観たいと思っていたんですよねぇ。
「鏡地獄」以外は、相当にアレンジされているようですね。
それはそれでどうなっているのか興味有りですが...そこまで気持ち悪いとなると腰が引けてしまうような...(汗)。

乱歩の映像物ですと、佐野史郎氏の「乱歩~妖しき女たち」良かったですね。
そうだ、VHSが駄目にならないうちにDVDに落しておかないと。
凹。

No title

悪人さん、こんにちわ。コメントが遅くなりすみません。

佐野史郎・・・あぁ、いいなー。「乱歩顔」ですね。妖しき女たち、見ていないのですが、その機会があるといいのですが・・・。

このDVDは、近所のツタヤにあったくらいなので、ハードルは低いかもです、作り手のオリジナリティを出そうとした気概を感じる作品でした。気持ちわるかったなぁ。