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日本一のホラ吹き男


 
 「初等(はじめ・ひとし)」は、間近に迫った東京オリンピック(!)の代表候補である大学生です。もちろん、演ずるはわれらが植木等さんですので、マジメに練習なんてするはずがありません。
 
 相当に遅刻してるくせに、スイスイスーダラタッタと現れて、「頑張ってるかね!?」とか声をかける余裕ぶり。ところが映画開始早々にアキレス腱断裂でオリンピックはあっさりパーに。
 
 大して失意も感じさせない雰囲気で、とりあえず故郷での加療生活。当然じっとなんてしてるわけなく、余計なことしてるうちに祖先の自伝を発見します。
 
 何でも大望を口にすることで周囲からは「ホラ吹き」と呆れられながらも次々と実現し、最後は大名に、なんていうサクセスストーリー。
 
 「おぉ、これこれ!」と、もうオリンピックはすっかり忘れて(実際、公開年が東京五輪の年だからっていうだけのノリだったみたいです。オープニング画像も笑うぜ)、大企業で大出世の大ボラをぶち上げました。
 
 名前もめでたい「増益(ますます)電気」は、松下電器産業のイメージでしょうか。あっかるーいナショナール♪は、まさに植木のイメージ通り。入社試験で落っことされるも、臨時の守衛で潜り込むという、横紙破りの有言実行ぶり。
 
 以後もトントン拍子で出世して、遂には大望の大出世&ミス増益電気を花嫁に~♪の大ボラの実現や、果たして如何に?????
 
 
 もう、最高です。この明るさ、この馬力。
 
 全てが結果オーライ大会なのですが、植木は努力を惜しまずリスクをとってます。スチャラカ映画ながらも、決して魔法みたいなことしてるわけではなくて。
 
 いや、もちろん高度成長期の喜劇なので、教訓めいたものなんてあるはずもなく、ブラウン管(ウチの子供はこれがテレビの比喩とは感じなかった、とはー)から飛び出した植木はじめクレージーの面々が愉快に暴れるのをケラケラ笑って見る映画です。
 
 が、21世紀も10年過ぎた今から見ても、植木は素敵です。
 
 自分で考えて、自分で動くんですよね。それは世の常識や、誰かの思惑でなく、自分の掟(無責任男の場合、それは自分の欲望、願望に近いのでしょうが)に従って、生き、そして死ぬ漢です。底抜け笑顔のアナーキスト。
 
 頑張ればいいことが必ずある。なんて、コツコツ・ひたむきよりも、望む未来はオレの手でつくる、自分自身こそが運命を司る神そのものなのだ、失敗したって死ぬだけだろ?とでも言わんばかりの植木の馬力。このポスターの顔のイイこと!!
 
 「無責任男」とは、「過去に全くとらわれない男」なのでしょう。バックギアの欠落した漢。振り向くことを全く知らず、前しか見てません。とどまりすらせず、前に動くこと以外は運動の法則がないが如く。
 
 映画のようにはいかずとも、植木の勇気を見習って、今日からいっちょ、ブワ~~~~~ッとやってみますかぁ!! 日本中がそうなれば、失われた20年なんて、きっと取り返せますわ。そのうちなんとかな~~るだ~ろ~~う♪ そうしよう、そうしよう!
 
 
 植木死すとも、無責任は死せず。クレージー、フォーエバー。
 
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コメント

非公開コメント

No title

おおっ!
シリーズ最高傑作ですね。

銀幕上の故植木さんは(良い意味で)無責任の権化のような方でしたが、リアルでは責任感の塊のような方だったようで。
しかし、正直、この方は死なないんじゃないか、と思っていましたよ。
死とかそういう物を超越しているような。

映画の空気が伝わってくるような記事に凹。

No title

悪人さん、こんにちわ。コメントありがとうございます。私も植木氏の不滅を信じる一人です。東スポあたりで「植木は生きていた!」とかあったら、疑わないかも。いや、きっとどこかでガハハと笑っていてほしいなぁ。