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松江泰治 地名事典 gazetteer /広島市現代美術館①



 以前、現代美術館で3年半くらい前「俯瞰の世界図」で作品を見たことのある写真家さんですが、非常に強烈な印象だったのでよく覚えていました。、


 空から広島の町を撮ったもの。これがもう少しアップになってゆっくりと動いていったのですが、影を極力排した角度・時間で撮影したとかで、妙に立体感のない「見たことがあるけど、なんか見たことがない」不思議な景色でした。
 
 同様に、平和資料館にあった被爆直後の広島のジオラマをあたかも本物の空撮みたいに撮った作品も、「見たことがあるけど、なんか見たことがない」不思議な感じで。
 
 まぁ、そもそも空から風景を見たことなんてあんまりないので、どこかで見た記憶は既存の写真とかのものでしょうから、松江さんの作品がいかにこれまでのものとは違うか、ってことなんでしょう。
 
 しばらく見ていると、本物なのか虚構なのかわかんなくなってきて、自分の感覚自体を疑うような不安感が面白かったです。
 
 
 今回の展示は松江さんの作品のみなので、そうした感覚にどっぷり。
 
 
 世界の山や砂漠、奥地といった、いわば「世界の僻地」。わざわざ出かけて、自分で運転し山を登っての黒白(白黒、モノクロと言った呼び方はされないそうです)撮影だとか。ヘリコプターやドローンなんか使わない、きわめてアナログな営み。


 有名な山脈や砂漠だそうなのですが、例によって影を排しての光だけの画面は、眩しくて急に眼を閉じた残像のようで鮮烈ながらも非現実な感じ。これがどこなのか、全然入ってきません。


 のっぺりした妙な感じのせいで、巨大客船は後ろの風景にめり込んだみたいになっちゃってます。
 



 高層ビルの都会でも同様。高さの感じがぼやけて、リアルさがどっか行ってます。同じ構図でカラーの作品もあって、全くの別物みたいでした。

 



 そうかと思うと、模型だったり一部虚構を混ぜた街をいかにも本物みたいに見せたり。これらの写真がそうだそうなのですが、どれも実物ではないとか。そう言われても、よくわかりませんでした。
 
 

 「動く写真」といった趣の作品群もあって、一眼レフの動画をずっとまわしたものだそうなのですが、ほとんど動かないいくつものヨットと動き続ける波のコントラストとか、動かない山肌とのんびり動く羊たちとか。ぼーっと見てたら写真みたいなのですがよく見たら動いてて、けっこうびっくりさせられました。

 これ、実物で見たらすごいヘンで面白かったです。あ、今気が付いたけど、冒頭の広島の空撮もこんな面白さがあったっけ。また見たいなぁ。
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