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母が亡くなった日のこと

 母が亡くなった日のことを時々思い出します。

 19年も前になるのか、年が明けてすぐのことでした。仕事初めの日も夕方に近づいた頃、妻から「母が倒れた」と電話。市内の病院に担ぎ込まれたけれど、楽観できないといった意味のことをどうにか話してくれたっけ。

 こういうとき意外に冷静な自分は冷たい人間なのかな、と思うことがしばしばあります。それよりも、現実に起きているということがわかっていないんでしょう。

 会社の同僚は、クルマで送ってやりたいけれど今の時間電車の方が速いからと、駅まで送ってくれました。ありがたかったなぁ。歩いても大した距離じゃないのに。

 問題は父でした。

 少し離れたところに出かけていて、携帯電話も持っていない父との連絡がどうしてもとれない、と妻も言ってたので。もどかしいけれど、実際どうにもできません。

 電車が着きました。

 開いたドアの向こうに父が立っていたのです。何も知らない父が。

「おう!homeじゃないか。お前、仕事中の時間じゃないんか」

 少し考えてから、父にゆっくりと話しました。今から言うことは今起きていることで、驚くだろうけど聞いてほしい、と。

 黙り込む父。当然ですが。「お父ちゃん、それで仕事抜けてきたんじゃ。一緒に病院に行こう」

 母は既に手の施しようのない状態になっており、病院はほとんど何もしてくれませんでした。救急救命士である兄は、それがどういう意味なのかよくわかっているようでしたが。

 翌日の明け方、母が亡くなりました。心電図の音が変わった頃、それまで無反応だった母の目から涙が流れたのは、単に生体の反応だったのでしょうか。

 そうかもしれないのですが、そいうではないと思いたい。あの時、大変な偶然で父に会えたのも、何か母が(またはもっと別の何かが)そうしてくれたんだと思いたい。


 母は後妻で、それまでに一度(あまり幸せではなかった)結婚をしていたそうでした。亡くなる数年前、その時の娘さんとやっと会うことができ、私は母そっくりの姉が突然現れて嬉しかったなぁ。

 本当に母そっくりの女性で。

 その人は、お母さんは自分を産んですぐに死んだと聞かされていたそうで、戦争が終わって長い間はどの人たちにも大変な時代だったことが偲ばれました。

 もっと母の話を聞いておきたかった。

 霊とかはあるのかないのかわかりませんが、今も母が死んだという実感がないままなので、ひょっこり現れてくれても驚かないのにな。


 眠れない夜中に、亡くなった母のことをぼんやりと思い出しました。
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コメント

非公開コメント

No title

虫の知らせ。というものですよね。
お父様は何か感じられたのでしょうね。
私は近い肉親の死に立ち会ったことはないのですが、そのときには何か感じるのだ¥かな?と思います。
うちの母も77歳。
占いでは92歳が寿命と言われているのであと15年は大丈夫なようです。(;^_^A
あ、私は87歳だそうです。(^_-)-☆

home in my shoesさん

私も、母を亡くして
15年程になりますが、
どこか、うっすらとしか
実感できないままでいます。

「母」の存在って
いつまで経っても
そんな感じなのでしょうかね。

葬儀が終わって、
祭壇のお花を
「お花大好きだから、
ママ(母)が持って帰ればいいのに」
なんて、
咄嗟に想ってしまったことを
思い出します。


天国のお母様に見守られ、
これからも、
お互いに、
日々、
大切に過ごして生きましょうね(^^)v

Momo☆

ミコリーさん

ミコリーさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

全く連絡なく、予定になかった電車に乗ろうとしたら父がいたのは本当に驚きました。父は母が死んだことは忘れても、電車で会ったことは覚えております。

あと15年と言わず、お母様は長生きしてほしいですね。大丈夫ですよ!

Momo☆さん

Momo☆さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

Momo☆さんもそうなんですね。母親が亡くなったこと、未だに実感が伴いません。が、いつか夢で見た時、生き返ったのかと夢なのに号泣したっけ。理解はしているんでしょうね。

御葬儀の直後に故人を想われること、本当に共感しました。

明日もよい日になりますように。

No title

いつまでも思いだしている間はずっとhomeさんの中で生きているのでしょうね。
お父さんとたまたま出会えたとかお母さんの引き合わせかもしれません。
わたしは父が亡くなる少し前と灰になってからしか知らないので
いつまでも船に乗ったままのような気持ちです。

はのはのさん

はのはのさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

ありがとうございます。私もきっと母が会わせてくれたんだと信じてます。

はのはのさんのお父様へのお気持ち、とても伝わります。私も、きっと今でもどこかの海なんだと思いますよ。

きっと。