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羅生門

羅生門

 ときは平安時代。もっとも平安とは名ばかりで、いくさ・火事・飢饉が絶え間なく起こり、盗賊どもが跋扈するご時世。平安京の正門たる羅生門も半壊し、身寄りのない亡骸がごろごろしている有様。

 土砂降りの羅生門で頭を抱える二人の男は、薪売りと僧侶。「人の心が信じられなくなる」「世にも恐ろしい話を見聞きした」と、呻きます。雨宿りに飛び込んできた野卑な男が「退屈しのぎに聞かせろ」と語らせたのは、三日前にあった人殺しを検分する白洲で彼らを含む当事者たちが語った話でした。

 平安武士が白馬に美しい妻を乗せて山道を通っていると(僧侶とすれ違う)、たまたま居合わせた盗賊はその美しさに我を忘れ武士を縛り付け、短刀で抵抗した妻を彼の眼前で手篭めに。平安武士は亡骸となる(薪売りが見つけた)・・・。

 共通するのは骨子とも言うべきこの流れのみで、後は盗賊・妻・平安武士(巫女の口を借りて証言する)各々が「自分は悪くない」と言わんばかりの全然違う話ばかり。

 盗賊の話は「手篭めにした後に妻から、辱めを受けた以上決闘して勝った男のものになると焚き付けられ、正々堂々の決闘の後に自分が平安武士に勝った(=殺した)」

 妻の話は「手篭めにされた後に盗賊は立ち去り、(主人である)平安武士の縄を解いたところ、耐え難いほどの冷たい眼差しを向けられ、短刀を握ったがよく覚えていない。自分は身投げも試みたほど操をたてようとしたのはわかってほしい」

 平安武士の話は「妻は手篭めにされた後、盗賊のものになると言い、あろうことか私を殺せと盗賊に哀願した。その浅ましさに驚いた盗賊は妻を足蹴にして私にあの女を活かすか殺すか聞いてきた。妻はその間に逃げ、やがて盗賊も立ち去り、残された自分は妻の短刀で自害した」


 妻が犯され、平安武士が死ぬまでに一体何が本当に起こったのか?やがて、薪売りが「実は自分が見ていた一部始終」を語り始め、更に別の話が・・・。

羅生門01

 世界のクロサワの名作だそうですが、初めて見ました。いい年して恥ずかしいなぁ。でも教養みたいなもんか、と半額デーの日に借りた次第。半額デーで教養ぬかすな、俺。

 デジタル・リマスター版が置いてなく普通のDVDのみ。1950年の作品だそうで、音も画質もめっちゃ悪くて、セリフも聞きとりくい。場面も山中・白洲・羅生門の3箇所しかないので、舞台演劇見てるみたい。

 が、これがアナログな大迫力祭り。CGも効果音もありませんが、演じる俳優さんの表情・身ぶりのシリアスなこと。盗賊役の三船敏郎さん、まぁ野卑そのもの。が、たまに見せる表情はイケメン全開。妻役の京マチ子さんは貞淑〜ビッチまでものすごい振り幅を大変な凄みで演じきってます。彼女の映画かも、これは。

 約70年前の映画なので当然古いのですが、言ってることは現代劇そのものです。実際、海外で別の時代設定(現代含む)で何度もリメイクされたとか。戦後まもない作品らしく、こんな話なのにヒューマニズム溢れる素敵なラストだったのも素敵。

 面白かったです。他のクロサワ作品や小津安二郎とかの映画もこれからみてみようかな。
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コメント

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No title

私もまだ見たことがないですし、名前は知っていても話すら知りませんでした。(⌒-⌒; )
内容を知って、ぜひ見たくなりました。
探してみます。


ps:台風は大丈夫でしたか?

Re: No title

ミコリーさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

これ、古いし名作って言われてるし、楽しめなかったら自分がヘボいみたいでこわごわ見たのですが、面白かったです。現代に置き換えた絵柄を想像しながら見たほど、内容は現代的で。

デジタル・リマスター版とかの絵がキレイなのを見れたらいいですね!