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ボギー!俺も男だ

ボギー、俺も男だ
 アランは売れない映画評論家です。そりゃ本業に差し障りがでるくらい「カサブランカ」に入れ込み過ぎてちゃ、ウマくいくものもいきません。今日も滑走路で惚れた女を見送るボギーに口開けて見惚れていたら、奥さんから離縁状。そりゃ愛想も尽かされるわ。
 
 もちろん、アランとてこんな情けない目に遭いたかったわけじゃありません。憧れのボギーのように、クールでダンディで女性を蕩かせるようになっていたかったのですが・・・。現実はこれです。そもそも口開けてボギーを眺めてるだけなんですから、何も変わるわけがありません。悪い方には変わっても。
 
 そんなサエないアランの親友ディック。エネルギッシュなビジネスエリートで奥さんリンダはめっちゃキレイ。さっそくやってきては、ぐいぐいとアランを焚き付けます。
 
「どうした、アラン!女なんて星の数ほどいるんだぜ!オレがどんどん紹介するから頑張りな!」

 次々とアランの前に現れる女たち。ボギーのようにキメたいアランですが、ちっともうまくいきません。そもそも相手の話を聞こうともせずに、映画のヒーローの所作をなぞるばかり。
 
 そう。愚かではあるのですが、アランはボギーみたいにいきたいんです。セリフを全部覚えてる「カサブランカ」に出てくるカッコいいボギーのように。実際、女性を口説こうとするアランのそばにはトレンチコート姿のボギーが現れます。
 
「へいへいボーイ、ダメだぜそんなんじゃ。女っていうのは・・・」

 それはもちろん、アランの独りよがりな幻、心の声。映画の中のボギーだって、画面で語られてないところではいつもいつもああではなかったことでしょうが、アランはあれをやりたくてやりたくて。
 
 そんなことだから、せっかくのディックの紹介も全敗 (´・ω・`)。でも、いつのまにかアランのそばにはリンダが。
 
 仕事仕事のディックとの暮らしに寂しさを感じたリンダは、いつからかアランの不器用な優しさに魅かれはじめたのでした。親友の奥さんながら心を奪われたアランは葛藤の末(いや、そんなに悩んでないか)リンダと結ばれます。
 
 リンダとの仲が冷めはじめているのを寂しく思うディック。仕事に打ち込むことは彼女との幸せのためだったのですが、少しやりすぎたかもしれません。失意の中「遠くに行く次の仕事に一緒に来てほしい」と、リンダに電話をします。・・・空港から。
 
 一時の気の迷いから覚めるリンダは空港に急ぎます。それを追うアラン。
 
 ついに二人に追いついた!それはなぜか滑走路で(笑)。ディックとリンダの後ろで出発を急かすのは、なぜかプロペラ機(大笑)。爆音が響き3人は振り向きます。

 ・・・これは、どこかで見たことがあるぞ。この光景は・・・あのラストシーンじゃないか! 今だぜ、今!今こそボギーになるときが来たんだ!一世一代、行ッけぇぇアラン!ボギー、俺も男だぁ!!!
ボギー、俺も男だ2
 
 
 
 めっちゃ好きな映画です。古いものなので、過剰なほどこっけいなところはありますが、それもラストの大団円のためと思えばなんてこたありません。寅さん映画のそれみたいに。
 
 好きなのが、ピンチになると現れるボギー。「カサブランカ」そのままのいでたちとダンディさで、主人公を導きます。もっとも、やるのは当人なので全然うまくいかないのですが。
 
 気弱な男の話なのですが、こういう「自分への勇気づけ方」ってあると思うんですよ。憧れの誰か(それはフィクションの人物でもいいと思う)をロールモデルに、今そうなれていない自分のケツを自分で蹴り上げることが。
 
 楽しいファンタジーです。いつものヒロインさん、とっても素敵ですし。「君の瞳に乾杯」とか「そんな昔のことは覚えてないね」って、私も言ってみたいなぁ。

カサブランカ
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