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男はつらいよ

男はつらいよ1作目

 桜が咲いております。16歳の頃に父親と大ゲンカの末に飛び出した男は、20年ぶりに懐かしい土地に戻ってきました。
 
 露天商を生業と定め、渡世人として仁義を切りながらも、いつも胸の片隅にあった故郷・浅草。悲しいかな母の顔は知らず、父も(彼と違って)秀才だった兄もとうに亡くなったと風の噂に聞いており、気になるのは幼かった妹・さくらのことばかり。故郷に錦とはいかないまでも、俺のことを覚えていてくれているだろうか・・・。
 
 感傷に浸りながらも、帝釈天の庚申祭りを見るとお調子者の正体丸出し。勝手に入ってまといを奪い取り、調子よく先頭を練り歩いてはすっかり主役に。なんだコイツは。が、帝釈天の住職を見るや否や、まといを放り出しかしづきます。「御前様!寅でございます!」
 
 住職の中でも一番位の高そうな「御前様」は破顔一笑。「おぉ、悪ガキの寅か」。人混みからは「寅ちゃん、寅ちゃんかい!?」と飛び出してくる「おばちゃん」。身寄りなき妹・さくらを我が子として育ててくれた大恩人です。
 
 その晩はおばちゃん、おじちゃんが営む団子屋「とらや」で寅さんの歓迎会。かしこまった挨拶は渡世人のそれでしたが、すっかり美しい娘さんに成長したさくらも唯一の肉親・寅さんの帰還に大喜びです。
 
 しかし、娘時代の倍賞千恵子を初めて見ましたが、まぁ可愛らしいこと。本作で結婚して子供も生まれるので、寅さんシリーズでの娘時代はこれでしか見られなかったとは知りませんでした。
男はつらいよ1作目02
 
 さて翌日。なんたる偶然はさくらのお見合い。丸の内の大企業で働く彼女は気立てのよさと美しさで、協力会社の社長から息子の嫁にとのオファー。もっともさくら本人は、身よりがないことでこれまでも色々辛いことがあったようで結婚は諦めている様子。このあたりの描写は昔の映画らしくド直球です。
 
 飲み過ぎて二日酔いのおじちゃんの代わりに、寅さんが見合いの付添いに行った結果は大惨事となりお見合いはパー。さくら、どれほど傷ついたことか (´・ω・`)。事の重大さに気づいた寅さんは逃げるように故郷を後にします。20年ぶりの帰郷は、自身の大失態でわずか滞在数日に。
 

 場面は替わって京都・奈良。寅さんは、長患いが癒えた娘を迎えに来ていた御前様と偶然出くわします。その娘さん・冬子が今作のマドンナ。かつての幼馴染の美しい姿に一目惚れの寅さん。しれっと一緒に浅草に戻ってきました。
 
 あれだけのことをしでかしておきながら、ホントにしれっと帰ってくるんです、これが。この「忘れる力」というのか、どんな騒動引き起こしても平気でいられる鉄のハート。
 
 冬子にぞっこんの寅さんは「寅の寺通い」と噂になるほど。しかし、惚れた女性に寅さんはやさしい。寅さんのテリトリーであるオートレース&焼き鳥屋で大いに楽しませます。別れ際に触れたその手の柔らかさ・・・。男・純情寅次郎。
 
 一方さくらは傷心も癒えて、タコ社長の工場の若い工員たちと楽しく過ごしますが、それが面白くない寅さんはまたケンカ。工員たちのリーダー格・博が食ってかかりますが、さくらにベタ惚れの純情を見抜かれてヘナヘナに。「いいってことよ青年、俺にまかせときな」

 おいおい、寅さんそう来るの?自分の妹だぜ、さっきまで「てめえらなんかに妹をやれるか!」って息巻いてたのに、目の前の困った人を放っておけないことの方が先に立っちゃいます。
 
 仲を取り持つつもりはあっても、結局さくらを困惑させるだけで何の役にも立てない寅さん。フラれたと思い込んだ博は辞表出して荷物まとめて、さくらに別れの挨拶&告白。顛末を知ったさくらは博を追いかけます。

 博の気持ちを知ったさくらは帰宅するなり、寅さんに「お兄ちゃん。私、博さんと結婚するわ。もう決めちゃったの。いいでしょ?」

 結果オーライの愛の使者・寅さん。二人の披露宴では、勘当同然だった博の両親との感動的な和解(志村喬起用だぜ)もあり、大団円と相成ります。

 いや、まだ終わっていませんでした。肝心の寅さんの冬子への思いは果たして実るのか?実るわけないよなぁ・・・。



 「男はつらいよ」シリーズ第一作です。「ハイビスカスの花」しかちゃんと見たことなくて、一作目から見てみようかな、と手にとりました。

 正直、「昭和の喜劇」だからかったるいんだろうと思ってたんですが、なかなか小気味よいテンポ。大体、ロクに付き合ってもなさそうだったさくらと博があっという間に結婚してびっくり。どうも、シリーズものにする予定はなかったみたいで、これだけで完結と言えばそんな感じ。91分という短さに詰め込んだリズムはとっても軽快でした。よかった。

 それにしても、寅さんはひどい男です。喜劇の主人公なので「愛すべき男」とか言われてますが、現実に身内にいたら大迷惑でしょう。おじちゃんだって「お前が帰ってきたから、こんなことになっちまったんだ!お前なんていなかったら良かったんだ!」とか相当なこと言ってましたもん。

 見てたら忘れがちですが、寅さんはそもそもカタギじゃないんですから周囲のシロウト衆とは合わない部分があって当然です(元々、ヤクザ映画のパロディという企画だったそうだし)。旅に出るのも帰ってくるのも、結局その場にいられなくなることを繰り返してるんじゃないかなって思うほど。
 
 昭和の懐かしい風景をバックに、善人ばかりの浅草で子供がそのまま大きくなった寅さんがその場のノリでやりたい放題。そのうち居づらくなって旅という名の家出を繰り返す罪のないお話。私にはこれが「日本人の心のふるさと」なのかは、どうもわかりませんが、プライバシーが乏しく良くも悪くも人との垣根の低いファンタジーでした。でも寅さんが現存してたらスマホもネットもかなり使いこなしながら、こんな騒動を続けてくれそうな気もします。

 2作目も見てみようかな。

男はつらいよ1作目03
 けんかの後は、ぞうきんで顔拭いて真っ黒でみんな大笑い。さすが昭和の喜劇。こういうのを受け入れられないと見れません。そもそも50年前の作品なんですから。
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コメント

非公開コメント

こんにちは。

男はつらいよ、大好きです。
昔はあまり興味がなかったのですが、数年前から
その魅力に取りつかれて…。たぶん全作観たと思います。

とらやさんのお茶の間にみんなが集まって、ワイワイ
しているシーンや、ラストのお正月のシーンを見ていると
日本はいいな、なんてしみじみ思ってしまいます。

マドンナ役の女優さんたちを見るのも楽しみでした。
素敵な方ばかりなので。
懐かしい日本の風景に気持ちがほっとできる映画だと思います。

mikotoさん

mikotoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

全作ご覧になったのですか、それはすごいですね(@_@)。特別版除いて48作、毎週見ても一年かかるという大長編(全部で一本みたいなものかな、と)。

ちょっとづつ見ていって、いつか全部見れたらなと始めてみました。とりあえずはリリーさん初登場の11作目が目標です。一昨日ビデオ屋さんに行ったら、2作目が貸出中(´・ω・`)。私のような人が他にもいるのかな。