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続・男はつらいよ

続男はつらいよ01

 旅先の宿で見る夢は、生き分かれた瞼の母。
「もし、もし人違いだったらごめんなさい。もしやあなたは、お菊さんじゃございませんか?あっしの顔に見覚えはございませんか?おっかさんのせがれ、寅次郎でござんす・・・」。

 ・・・またこの夢か、と目が覚めました。どうも赤ん坊のときに捨てられたようで、母の顔は知らないとのこと。寅さんが女性に弱い秘密なのかも。

 寂しさもあって訪れたのは、浅草のとらや。なんだかんだ言っても帰る場所ができた寅さんですが、ちょっと気恥ずかしいのか「おいちゃん、おばちゃん。俺は行かなきゃいけねえんだ。あばよ」とどこかで見た映画でも気取るように上がり込みもせずに立ち去る寅さん。

 前作で生まれた子供を抱えて追いかけてきた妹・さくらに「これで赤ん坊にアメ玉でも買ってやんな」と数枚の万札を押し込んで立ち去ったまでは格好良かったのですが。
 
「あーちょっと無理しちまったなぁ(´・ω・`)」とボヤキながら出くわしたのは、中学時代の教師・坪内散歩先生(東野英治郎だ)家。懐かしさに訪ねてみると、変わらない厳しい顔が出てきました。

 先生もさることながら、前作同様に美しく成長して現れた恩師の娘・夏子にポーっとなる寅さん。「寅ちゃんね!」と人懐こい笑顔の、庶民的ながら品のあるマドンナ・佐藤オリエさんです。
続男はつらいよ08

 結局上がり込んで機嫌よく飲んですっかり出来上がる寅さんですが、いいもの食べすぎて胃ケイレンで病院にかつぎこまれます(´・ω・`)。電話を受けて驚くとらやの面々。
続男はつらいよ04

 が、寅さんは寅さん。翌日には良くなって入院患者たちを集めて大いに笑わせて大騒ぎ。苦い顔で現れる二枚目医師・藤村(山崎努だ。若い頃から苦みばしったいい男だったんだ)がたしなめます。「てめぇ、インテリだな!」、激高する寅さんですが、見舞いの夏子が現れると途端に大人しく。
続男はつらいよ03

 なのに寅さん、夕方には舎弟のノボルと焼肉屋に繰り出しますが、二人共文無し(!)。なじる店主を軽く突き飛ばしたら、無銭飲食で警察の厄介に(´・ω・`)。またもさくらを泣かせ、散歩先生にも夏子にも合わせる顔もありません。先生に詫びを入れて、浅草を後にします。


 一ヶ月後。京都で怪しい辻占いやってる寅さんを散歩先生親子が偶然見つけて食事に誘います。どうも瞼の母が京都にいるらしく、来てはみたもののもひとつ腰が重いと言う寅さんを叱咤する散歩先生。黄門様の説教はさすがに説得力あります。

 夏子を付き添いに探し当てたのは、瞼の母が勤務するという「グランドホテル」なるラブホ。誤解から部屋に二人で入ってしまうまさかの展開。初期寅さんは家族で見られないきわどいジョークもあったんだ。面白かったけど。

続男はつらいよ05
 瞼の母との感動の再会は苦いものでした。従業員にも厳しいオーナー・お菊(ミヤコ蝶々さん、ホント上手!すっごい素敵でした)がそれだったのですが、職場だったのがいけなかったのでしょうか。懐かしそうな顔を見せたホンの一瞬の後には厳しい女経営者の顔に戻ります。
「今頃なにしに来よったんや。あー、カネの無心かい」
「やかましい、この狸ババァ!勝手に産んで子供捨てやがって!」
「なんやと!お前に親の気持ちがわかるか!どこぞの世界に喜んで自分の子供捨てる親がおんねん!」
「帰ろう、お嬢さん!」飛び出す寅さんと、階段にへたり込み寂しそうな顔のお菊さん・・・。

続男はつらいよ02
 実は自身も母を知らない散歩先生は寅さんと共に泣いてくれ、3人で帰る東京。こうやって、しれっと帰ってくるのも前作同様の安心感。

 傷心の寅さんは浅草で優しく迎えられ、すっかり調子にのって散歩先生・夏子宅に入り浸る寅さんですが、夏子が二枚目医師・藤村と喫茶店で会うシーンなどが織り込まれます(´・ω・`)。

 ある日、夏子に「父がどうしても寅ちゃんじゃなきゃ、と言ってるの」と呼ばれ行ってみると、いつもと違う様子の散歩先生。「天然のうなぎがどうしても食いたい。江戸川で釣ってきてくれ」と、子供のように言い張ります。今どき釣れるわけないと言いながら、根負けして出かける寅さんですが、ついに釣り上げる夕方!夏子とともに踊りながら帰ると、そこには事切れた散歩先生・・・。
続男はつらいよ06

 いや、別に先生死ななくても、と思うのですが。とにかく死んじゃいました(´・ω・`)。

 葬儀当日。先生がいつも座っていた椅子に取りすがって泣き続ける寅さんを「一番泣きたいのは夏子さんじゃぞ!」と叱咤する御前様。目が覚めた寅さんは、渡世人らしく葬儀をテキパキと仕切ります。男前だぜ、寅さん!二枚目医師・藤村が弔問に現れますが、にっくきインテリにも堂々の対応。

 気丈に振る舞っていた夏子、藤村を見て別室へ移り泣きながらすがりつきます。そこへ現れる寅さん(´・ω・`)。

「・・・お嬢さん、・・・ご、ご、ご出棺・・・です」。

続男はつらいよ07
 またも散った寅さんの恋。傷心の旅先は、夏子の新婚旅行先と同じ京都。心配していた夏子でしたが、またも怪しい辻占いと、そばにいるお菊と笑い合う寅さんを見て笑顔を見せるのでした。

 それまで同様、姉のように。



 一作目から全部見てみようと借り始めた寅さんシリーズですが、似たような人が他にもいるらしくレンタル中が続いてました。まだ二作目なのに。「どうせ昭和の古い喜劇だろ」と、実はナメてたのですが、これが面白い。

 91分という短さなので、まぁテンポがいいです。とらや、散歩先生宅、京都等々変わっていく場面は各々10分程度で飽きずにぽんぽん変わります。夏子さんと藤村医師がいつの間にか結婚の約束してたんですが、そこに至る描写はほぼカットという潔さ。散歩先生があっさり死ぬのも驚いたし。

 それに「昭和の喜劇」役者さんたちの芸達者ぶり。何かにつけてぶつかったりつまずいたりするんですが、キレッキレです。冒頭で寅さんが子供らのサッカーボールを蹴るシーンがあるんですが、見事な空振り&すってんころりん。何の違和感もなく。いやー、「こけ芸」って今どれくらいの人ができるんだろう。

 それにしても今回のフラレ方もキツかった(´・ω・`)。天国から地獄の容赦ない演出。でも、寅さんは優しく、いい男なんですね。キライな藤村医師が恋敵と知っても、惚れた女の心情を最優先。レディーファーストの紳士です。

 傷心の寅さんを慰めるとらや面々に向かって「これじゃ、俺が三枚目みたいじゃねぇか!」。寅さん、まさか自分が二枚目だと思ってるのか。

 いや、私含めてみんな二枚目を気取りたいときはある。きっと、ある。「いいってことよ、慣れっこだよ」とさくらに強がる寅さん。三枚目とは知りながら、顔で笑って心で泣いて。

 そうか、だから「男はつらいよ」なのか。そうなのか。ラストでお母さんと(いつの間にか)すっかり仲良くなってる姿も男前でした。

 寅さん、三作目も楽しみにしてるぜ。面白かったよ、ありがとう(*´ω`*)。
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コメント

非公開コメント

No title

こんばんは。

寅さんはお決まりの展開なのは分かっていても笑ってしまいますね。

話し方の間合いなのか、何か可笑しいしホッとするような
心地良さも感じます。タコ社長との絡みも絶妙ですね(笑)

No title

話の筋、始めて知りました!
なんだかおもしろくてちょっと涙で、自分の心のまま素直に生きてる憎めない男・寅さんですね。(^_-)-☆
うちの夫に重なるところがあるかも~笑

SIN=KAIさん

SIN=KAIさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

上映時間は毎回91分と決まってたみたいですが、ひょっとしたら毎回同じの展開の時間枠もほぼ決まってるのかもしれません。なんかそんな気もします。

いつも金策で駆け回ってる、タコ社長。話の箸休めに出てきてくれて楽しいですよね(*´ω`*)。

ミコリーさん

ミコリーさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

ほんと、最初はナメてたんですが見てみたら面白かったんですよ。ギャグは古いっちゃ古いんですが、考えてみたら、これらがずっと昔からやってるから、古く感じるんでしょうね。

ゴルさん、寅さんみたいなんですか(笑)。へへへ。