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ブレージングサドル

ブレージングサドル01

「やった!新しい保安官が来たぞ!」
「おー、これで町は救われる!」
「・・・。いや・・・、変だぞ。・・・黒人だ」
「んぁぁぁぁッ!? なんで黒人がぁ!? 認めんぞー!やっちまえー!」
 
 ええぇ?何、この露骨な人種差別。

 悪漢どもに蹂躙され崩壊寸前の西部の町、ロックリッジ。そこへ馬に乗り颯爽とやってきた新任保安官・バート。しかし全員白人の住民は、男女を問わず彼に銃を向けます (´・ω・`)。

ブレージングサドル06
「(子供みたいな声で)きゃー、助けて!このままじゃ殺されちゃうよー!」
「(悪漢みたいな声で)オマエら、こいつがどうなってもいいのか!?」
 と、自分の首すじに銃をつきつけて、1人芝居するバート。あっけにとられて銃を下ろす住民たち。

 間一髪。バート窮地を脱します。なんのこっちゃ、この西部劇は。


 そもそもは、西部の土地に鉄道を敷いていたことろ、行く手が流砂で進路変更。このロックリッジの町を通すことにしたので、土地の利権狙いで住人たちを追い出そうという悪だくみが発端です。
 
 って鉄道を敷くと言っても、馬にまたがって銃を振り回す白人たちが黒人・中国人・アイルランド人の作業者を奴隷同様にこき使ってるのが実態。設定が1874年とわかるセリフがあったので、途中で見るの止めて調べたら(何年に何があったかなんて知らんもん)、リンカーンの奴隷解放宣言や南北戦争終結から10年前後なんですね。そら、強烈に人種差別してますわ。
 知らないついでに調べたら、アメリカ横断鉄道って東西から真ん中(西部)に向かって両方から作っていったんですね。で、その間にインディアンたち先住民族の土地をぶんどっていくのが西部劇だったと。それも線路敷いたらその周りの土地も手に入る法律だったとかで、まぁ欲こいてめちゃくちゃしてたんでしょう。全然知りませんでした(´・ω・`)。

 映画に戻って、線路敷設でこき使われてる黒人たちのリーダー格、若く細身で長身のイケメン・バートはナイスガイ。どんなピンチもジョークと機転で切り抜ける褐色のルパン3世。「やい、黒人ども!歌でも歌って見せな!」の無茶ぶりにも、ニヤリと笑って、仲間の見事なコーラスにのってスローブルースを披露(笑)。無茶ばっかり言う白人どもの親分・タガードをシャベルで思いっきりどつきます。いいぞ、いいぞ。

ブレージングサドル08
 本当に悪いのは、州知事補佐(兼検事、兼不動産屋。なんじゃそら)ヘドリー。タガード一味を使って、線路敷設予定地のロックリッジの土地を手に入れようと町を襲わせ保安官も殺しちゃいますが、住人はなかなか出ていかず、逆に新しい保安官の就任を嘆願。

 ちょうどタガートをシャベルでどついたので絞首刑にしようとしてた(!)バートを新保安官として、ロックリッジに差し向けます。何しろ10年前まで奴隷だった黒人を差別意識も強烈な西部の町の保安官にさせれば、町は混乱して自壊するだろうとのセコイ目論見。

ブレージングサドル07
ブレージングサドル02
 男前・バートは、グッチのバッグをぶらさげ(なんじゃそら)、颯爽と馬にまたがりロックリッジの町へ。荒野になぜか現れるカウント・ベイシー楽団(本物!なんじゃそら)が鮮やかな演奏とハイタッチで門出を祝います。

ブレージングサドル03
 町の住民はバートを受け入れようとしませんが、ジョークを絶やさない彼には頼もしい相棒ができます。ただの酔っ払いかと思ってたら、かつての早撃ち王・ウェイコ・キッド!なにしろ腕組みしたままなのに相手が撃たれてる(なんじゃそら)という、カメラも追えない超超早撃ち。

 酔っぱらい・黒人ってことで町の誰にも相手にされない二人は初めて普通に接する者に会い意気投合。ヘドリー&タガート一味が次々と繰り出す嫌がらせ、ちょいと頭の弱い怪力男には郵便夫の扮装でケーキをプレゼント&中は爆弾、セクシー女の色仕掛けにはバート(と言うか黒人の性的能力、と露骨に言ってます。ひでぇ)自慢の下半身で逆にメロメロというくだらなくも笑わせる反撃で撃退していき、町の人たちも少しづつ変わってきました。
ブレージングサドル04

 怒りのヘドリー、西部中の悪人どもを集めて(悪人募集!とか署名入りのポスター貼りまくる。なんじゃそら)総攻撃を準備します。

 これが人相悪いガンマンが大勢・・・、いやラクダのアラブ人、鉄カブトのドイツ兵、白頭巾のKKK団とかもうじゃうじゃ。なんじゃそら。「潜入捜査だ」と言ってKKK団どついて服装奪い取り着込む黒人バート。すげえな、この映画。

 契約書にサインの手が黒いのを見破られて逃げ出すバートとキッド。途中、線路敷設のキャンプに駆け込み、かつての仲間に助っ人を頼みます。

 町の連中と助っ人黒人たちでヘドリー一味に対抗するのは、荒野につくった町のニセモノ。ドリフのセットみたいな板一枚に建物や人を描いて爆弾仕掛けて身を潜めるって寸法。だが、連中は迫ってきてます、時間を稼がなきゃ!

 バート、一味の通り道に高速道路の入場口をベニヤでこさえると、ETCのない時代ですのでたちまち料金払う大渋滞でまんまと時間稼ぎに成功!なんじゃそら!

ブレージングサドル05
 ノコノコとやってきた悪漢一味は、ニセモノの町で爆弾にやられ大混乱(ホントに人や馬が吹っ飛んでて笑った)。「よーし、一気に奴らを叩き潰すぞ!」バートの号令で住人男女、黒人仲間たちみんなで乗り込んで大乱闘が始まります。上品な奥さんが鮮やかに決めるストレートパンチ!キッドもバートも大暴れ!

 やがてこの大乱闘は町を出て画面からはみ出て、隣の映画スタジオの別の撮影になだれ込み、映画会社の大食堂でパイ投げ大会になり・・・・。

 なんじゃそらぁぁぁ!



 中1のとき(40年以上前だ・笑)友達になった山本くんが西部劇好きで、この映画の主題歌を聴かせてくれました。ムチの音がばしばし入ってて威勢よくかっこいい曲。彼が言うのは「なんか、ラストがむちゃくちゃな映画らしいんよ」で、見てみたかったけどネットもレンタルビデオもない時代。それが先週、近所のレンタルビデオ屋さんでブルーレイ見つけてびっくり。なくなる前に借りてきました。

 メル・ブルックス監督って、名前は聞いたことあるけど初めて見ました。1974年の映画(そりゃ自分が中1だったわけだ)で、その100年前を舞台にしていますが、映画の中では最初から人種差別ギャグ大行進。考えてみたら、西部劇なんて今テレビで放送できないんじゃないかってほどの白人至上劇だし、「100年経っても今も似たようなもんだろ?」みたいな皮肉も感じます。

 深刻なテーマを感じながら見てもいいんでしょうし、単純にお下劣ギャグで笑って楽しめました。最後10分間は映画からはみ出まくって、バートとキッドが「ラストはどうなんのかな?」って二人でこの映画を見に映画館に入ったりしてます。古い映画だけど、面白かったなぁ。

 古い映画って最近よく見るのですが、意外に面白いです。古典、クラシックですから。今ある表現やギャグも、かつてこれらがあったからと思うと、別に古くは感じません。そもそも私自身が新しくないのに。

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