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男はつらいよ 望郷篇

男はつらいよ望郷編01
「・・・寅ぁ・・・。後のことは頼んだぞ・・・」
「おじちゃん、すまねぇ!俺が苦労かけたばっかりに・・・!」

 とらやのおじちゃんがまさかの御臨終、と思いきや寅さんの夢でした (´・ω・`)。雨が降り続いてテキヤ商売あがったりの安宿でのこと。浮草暮らしの頼りなさから、また里心が首をもたげます。

 クーラーなんて庶民には手の届かなかった頃の浅草の夏、暑いです。「上野まで帰ってきたよ。おじちゃん、大丈夫かい?」と寅さんからの電話に、たまには心配させてやれと「暑さにやられて、もう長くないんだよ」と冗談で返したら、粗忽者の寅さん葬儀の準備万端整えての帰宅でまたひと騒動です(*´ω`*)。

 翌朝にはすっかりケロッとしている寅さん。早朝から団子の仕込みで忙しいおじちゃん、汗まみれ・油まみれで働いている博はじめタコ社長の工員をからかってのんきなもんです。

 そこへ駆け込むかつての舎弟・ノボル。なんでも世話になった札幌の大親分がもう長くないとのこと。「渡世の義理だ!」と息巻くはいいですが、電車賃もありません。あちこち(御前様にまで!)に頭を下げますがさっぱりで、とうとう一番切り出しにくい妹・さくらに無心を。

「お兄ちゃん、渡世の義理だのえらい兄貴だのいいから、地道に真面目に働いてよ!油まみれのどこがおかしいのよ!」と耳の痛いセリフも、さくらからの言葉なら神妙に聞いている寅さん(*´ω`*)。「これが最後よ!」と、2作目で寅さんがカッコつけて渡した(直後に文無し&焼き肉屋さんで無銭飲食からの警察沙汰・・・)一万円札を取り出します。
男はつらいよ望郷編02

 それでも、表に出ればひゃっほうとタクシー呼ぶ始末 (´・ω・`)。人の話、聞いてんだか。

 やってきた札幌では、かつての大親分が簡素な病院で侘しく死を待つばかりのありさま。大勢いたはずの舎弟もわずかに一人。遊んだ挙句にどこかの女性に産ませたとかいう(ひでぇ)まだ見ぬ息子に一目会いたいとか。

「この寅にまかせておくんなせい」と乗り込んだ先は小樽の国鉄機関庫。案内してくれる職員さんが無人の線路でも指差呼称で安全を確認する姿を面白がって真似てる不真面目ぶりの寅さんに、その「息子」さんは取り合わず出発する蒸気機関車。

 息子さんは機関車の罐に石炭を絶えず入れ続ける職務でした。高熱にさらされ、煤にまみれながらも休むことなく機関車の呼吸に合わせるように絶えず、絶えず。一方で運転士とともに安全と時刻を確認しつつの厳しい職場を懸命に守り通す姿は、地道な労働の崇高さに輝いています。

 タクシーで追いついた寅さんにほだされて、やっと開いたその口からは「実は小1の時にこっそり会いにいったが、赤線で女性を殴りまくってる父の姿は鬼のようで、1人線路を歩いて帰った。母はその後亡くなり香典ひとつ寄越さなかった男、遊び半分で母に産ませておいて今さら会いたいなどという男を父とは思っていない」と。
男はつらいよ望郷編03

 自分の出自とも重なる話に言葉を失う寅さん。そして「大親分」は、その晩亡くなっていました・・・。


 浅草に帰った寅さんは何か目覚めたようです。「これからは地道に働く、やくざな稼業から足を洗う!」と高らかに宣言。みんなは怪訝な顔ですが、一人喜ぶさくらちゃん。

 寅さん、義弟・博から借りた作業服を着て職探しに出かけますが、天ぷら屋さん、お寿司屋さん、お風呂屋さん、果てはタコ社長の工場でさえ雇ってくれません (´・ω・`)。普段は寅さん寅さんと笑っているのに・・・。

 傷心の寅さん、江戸川に繋いであった小舟でフテ寝。やがてもやいは解け、ゆっくり流される小舟と寅さん何処へ行く・・・。

男はつらいよ望郷編05
 ひと月後、さくらの元へ寅さんからの便り。浦安(江戸川の下流だ・笑)のとうふ屋さんで地道に働いてるとのこと(!)。訪ねてみると、おかみさん一人で切り盛りしてるとうふ屋さんで、仕込みから配達まで確かに真面目にやってました。が、そこへ帰ってきた一人娘・節子(今回のマドンナは長山藍子さん。生活感&快活さが素敵です)の存在を知ると、この先が心配になるさくら・・・。
男はつらいよ望郷編04
 これまでのマドンナとはちょっと違って高嶺の花感の薄い節子ちゃんとなんかいい感じの寅さん(*´ω`*)、意外に真面目に働き続けます。しかし、とうふ屋さん常連の青年(刑事ドラマでよく見た井川比佐志さんだ。若い頃から渋めだったのね)の影が・・・。
男はつらいよ望郷編06

 ある晩、神妙な節子ちゃんから「これからもずっとウチのお店で働いてくれる?」と、まさかの告白(?)。翌日さくらに「浦安で所帯持つかもしれない」と連絡し、夜はおかみさん、節子ちゃん(なぜか源ちゃんも)で食卓を囲んで、すっかり仮祝言のムードです(*´ω`*)。

 そこへなぜか現れる比佐志青年。「おぉ、お前か!あがれよ!」と主人気取りで声をかける寅さんですが、その席はまさかの比佐志青年と節子ちゃんの結婚~高崎への引っ越しお披露目でした・・・ (´・ω・`) (´・ω・`) (´・ω・`)。
 
「僕は国鉄機関庫に勤務しているのですが、高崎に転勤が決まって・・・」
「私も悩んでたんだけど、寅さんがずっとこの店で働いてくれるなら安心よ♪」
「寅ちゃん、私がいい子見つけてあげるから!」
「・・・あ、そうなの・・・。そりゃめでてぇなぁ!おめでとう!」

 本作での勤労の象徴・国鉄機関庫にまたも敗れ去る寅さん。顔で笑って心で泣いて・・・。

 
 

 寅さん、まさかの勤労ぶりでした。自転車に乗っての配達中、近所から声かけられたりの人気ぶり。真面目に働く暮らしも似合ってたかもなのですが、その錨となる女性が今回も空振りでした・・・。
男はつらいよ望郷編00

 おかみさんと節子ちゃん、寅さんの気持ちを知ってか知らずか(ちょっと知ってるような感じもしなくもなかった・・・)、珍しくまっとうな奮闘はまたも花と散りました。やせ我慢の寅さん、ホント可哀想 (´・ω・`)。

男はつらいよ望郷編07
 5作目の今回、最初から最後までどこか切ない仕上がりでした。寅さん、渡世だのなんだのと言いながら、自分を受け入れてくれる人・場所を探し続けては叶わない物語なんですかね。「俺には地道な暮らしは無理ってことよ」とキザなセリフを言いながら、勤勉なとうふ屋さんはサマになってましたよ。別に寅さんだって何屋さんでもいいんだと思うんです。受け入れてくれる女性がいてくれたら、きっと。
 
 遊び人の父が芸者さんに産ませて、理由あって捨てられた自分。甘えられて受け入れてくれる女性・家庭の姿を追いかけて追いかけて。
 
 寅さん、今回のフラれ方はこれまでで一番キツかったね (´・ω・`)。でも、ぐっとこらえて誰も傷つけなかった姿、格好良かったよ。そんな時でも格好良くなきゃいけなかったのかな (´・ω・`)。いや、きっと寅さんは自分のミエやプライドよりも、人の気持ちを大事にしたんだよね。言いたいこともあっただろうに。
 
 でも、小樽で会った息子さんの仕事ぶりに負けないほど、とうふ屋さんでの勤勉っぷりは輝いてたぜ(*´ω`*)。
 
 寅さん、今回もありがとう。いい話だったよ。
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