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ディーバ


 
 少年の面影を残すジュールは、パリを小さなバイクで巡っている若い郵便配達員です。仕事は一応こなしていますが、大切にしているのは彼一人ためのプライベート。
 
 ガレージを改造した一人住まいの部屋こそが彼の城です。
 
 高級車(の廃車)を数台並べ、壁にはポップアート。自慢は、シンプルながらも音のいいオーディオで聴く数々の名演のテープ。それはロックやポップスではなく、オペラやクラシック。
 
 今夜は、彼の最近のお気に入りである、シンシア・ホーキンスのコンサート。荘重なオペラホールは当然、生音です。郵便配達員の制服のまま座った彼は、大胆にもオープンリールのテープ・レコーダをこっそり回します(おとなしそうな顔してるくせに悪いヤツです)。そしてそれを後ろから見つめる、怪しい風体の二人のアジア人。
 
 現代のディーバ、シンシアは決して録音をしないことで有名でもありました。彼女曰く「私は必ず聴いてくれる人がいるところで歌いたいの」「それは、聴衆の前で歌うこと以外に適えられないの」「商業の方から芸術にあわせるべきだわ」・・・。
 
 そのディーバの声を「盗んだ」ジュール。ついでに、その夜の彼女のドレスまでも。

ほどなく、そのテープ、そしてジュール本人はシンシアに録音を迫る台湾のレコード会社から付け狙われることになります(後ろの席のアジア人がそのエージェントでした)。
 
 さらに厄介なことに、存在が噂されながら決して尻尾を出さなかった国際売春組織の内部告発テープ(うれしいなぁ、ナカミチだぜ)が偶然にもジュールの郵便カバンに投げ込まれます。
 
 警察への提供を期待してのものですが、ジュールは2本のテープを狙う別々の組織から命まで含めて追われるハメに。
 
 彼の暮らしは激変しました。それは、暴力に追いかけられることだけではなく、(とりあえず)ドレス(だけを)返しにいったシンシアとの思わぬ接近。
 
 孤高のディーバも生身の人間で、ちょっと手クセは悪いけれど純なファンであるジュールに心を許します。

雨上がりのパリの街を歩く二人。恋人のように、姉弟のように・・・。
 
これまで全く自分のことしか考えてこなかったジュールが、初めて誰かのために動き始めます。好むと好まざるとに関わらず、命がけで・・・。
 
 
 
 別に映画ファンでもない私が、映画のDVDを月に数本見ることをしばらく続けていましたら、だんだんと自分の好みがわかってきました。
 
 アメリカのヒット作は好きじゃないみたいです。「王様のブランチ」とかでリリコさんが(多分、仕事上)推してるようなヤツは特に。
 
 ヨーロッパや、邦画のあんまりヒットしなかったようなのが好きっぽいですね。でも、近所のツタヤとかにはあんまりそういうのは置いてなくて、だんだん選べない状況が始まりつつあります。まぁ、週末の半額デーでしか借りない私はボヤける立場でもないですが。
 
 この映画は「フランス映画のイメージを変えるくらい面白い!」って、わかったようなわかんないような手書きのPOPが添えてありました。
 
 見て感じたのは「アメリカ映画みたいなフランス映画」ってとこでしょうか。アクションも逆転も美女もありで、面白いっちゃ面白いですが、苦味の薄い映画でした。
 
 いや、面白かったことは面白かったですが。あぁ、歯切れ悪いなぁ。

郵便配達の兄ちゃんと、超大物オペラ歌手のお姉さんがつかず離れずで街を歩くシーンは美しかったです。あのシーン、もっと長くしてもらっても私は大歓迎。
 
 私のためにつくってないか、そんなもん。
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