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パララックス・ビュー


 
 
 時は70年代初頭のアメリカ。
 
 ジョーは、オレゴン地方紙の記者。不正を憎む熱血漢ですが、小さな田舎新聞の記者っちゃ、その通りです。
 
 田舎記者ゆえに、そのパーティへの出席を断られた将来の大統領候補「キャンディ」議員がこの町で暗殺されました。「進歩的」な政策、若々しく爽やかな風貌に美しい妻と、誰が見てもケネディを思わせる彼は、ホンモノ同様、多くの支持者と、妻の眼前で胸を撃ちぬかれて。
 
 騒ぎの中立ち去る謎の男が一人・・・。
 
 調査委員会は数ヶ月の後に、単独犯の犯行であり政治的背景はない、と結論づけ、事件は終わります。
 
 ところが、そのときに現場に居合わせた人たちが、除々に命を落としていきます。ジャーナリスト、支持者、判事等々。3年で6人も(ケネディ暗殺そのものだ)。
 
 不審に思い、一人動いたジョーにもまた、身の危険が次々に。15分くらいの間に3回死にかけます。とはー。
 
 どうも「パララックス社」なる怪しい組織があり、反社会的傾向の強い人物を高給で雇っているらしいことがわかりました。そいつら(または、それを操る者)が黒幕かいな、とアタリをつけ、無謀にもパララックス社への潜入取材を試みるのですが・・・。
 
 
 映画自体そんなに知らない上にまったく知らない映画で、近所のツタヤの「良品発掘!」コーナーで目にとまって借りてみました。
 
 あんまり「サスペンス」って見ない好みのせいか、「見てよかった!」とか楽しめはしませんでしたが、力作だと思った次第です。
 
 この時代の映画だからなのか、主人公はとにかく一人で動きます。もうちょっと、人の力を借りればよさそうに思えるくらい。その動機も(私には)よく伝わってこず、なんだか入れ込めないままに話は淡々と、そして不気味にすすみます。
 
 そう、淡々とけっこうな数の人が死ぬんですよ。しかも、惨殺ではなく、自然な事故を装った死に方ばかりで。とっても薄気味悪いです。
 
 そのピークは、主人公がパララックス入社テストで見せられた6分程度の映像に。
 
 「反社会的傾向」人物の暴力性を肯定させることが目的らしく、最初は「愛」「母」「父」「家族」「自分」「幸福」といったキーワードとともに、暖かく懐かしい印象の映像が次々に映されるのですが、キーワードはやがて、「敵」「国家」といったものが混じり始め、それまでのキーワード映像は悲惨でグロテスクなものに変わっていき、見る側の感情は乱されます。
 
 遂には、(幼い頃に感じたような=原初的な)幸福感は消え去り、欲望を肯定し、敵を殲滅する英雄こそが自分であるかのようなメッセージが溢れかえって・・・。気持ち悪かったなぁ。劇場で見たら、それこそ洗脳され始めてるような気持ちになったかも。
 
 でも、これを見ただけで「あ、この映画見てよかった」って思ったほど、インパクトありました。気持ち悪かったけど。
 
 パララックス社、なる組織のオフィスやエージェントの姿はあるのですが、それが何者なのか、どんな大きさなのか等々さっぱりわからず、「敵」の姿は見えないまま(=全員敵みたいな気分になります)、無機質なビルの谷間をネズミの如く駆け回る主人公。
 
 好きな映画ではないですが力作でした。たまにはこういうのもいいなぁ。
 
 
 これが荒唐無稽な作り話であることを祈って。
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